『焔の眼』の少女を護る鬼神クロVS胸クソ軍団のバイオレンスぶりがハンパ無い

ストーリー、ジャンル

「第2次世界大戦により敗北した日本」という史実とリンクさせたファンタジー作品。主人公は日本人と敵国ショルゴール人との間のハーフである少女沙羅

ボロボロの敗戦国となった日本はショルゴール植民地と化して行き安堵無き日常を送る事になる。混乱は人々の不安を呼び、ついには日本人同士も荒れすさんだ状態と変わりゆく。そんな最中、沙羅が男たちに襲われそうになっているところを、どんな相手であろうと素手で戦う武闘家「陀大膳黒(クロ)」に助けられる。

まるで人間とは思えない姿をしたクロは一体何者なのか。クロは沙羅の存在を気にしながら、一生懸命に戦いの限りを尽くす。そんなクロから武術を”見よう見まね”で教わっていた沙羅もストーリーが進む中で変化を起こして行く。

胸糞悪くなる敵国キャラによる残酷な一面は目を覆いたくなるも、クロと沙羅との間に芽生えていく関係性にも注目したくなる作品。見どころでもあるバイオレンスバトルは必見。

 

 

敵キャラの「胸糞悪さ」が”引き立てている”

 

本作は、とにかく登場する敵キャラ(ショルゴール人)が酷い。敗戦国に対する残酷な扱いは、戦争史として語られる事が多いがそういったリアルな部分も作中に取り入れている。敗戦国の立場にある日本は、ショルゴール人から平気で殺されているし、奴隷以下の扱いとして女性に対する暴力も相当に酷い。

また、沙羅の存在は敵国とのハーフであるが故に日本人からも邪険に扱われている。読んでいると本当に可哀そうだという気持ちになってしまう。右を見ても左を見ても「悪」だらけなのだ。しかし、これが押切作品の上手さでもある。これらの「胸糞悪さ」を演出として昇華させており、とにかく読者をどん底の気持ちにまで落とし込む事に成功しているのだ。

一連の胸糞悪さを読者が感じれば感じるほど、後々が面白くなるように作られている。ネタばれを避けて書くと「あ~読んでスカッとした!」という状態が待っているからだ。スカッとさせてくれるのはもちろんアノ男。

 

鬼気迫るクロの戦いぶり

『焔の眼』のおすすめポイントでもあるが、とにかくクロの無敵ぶり1ページだけでも一読の価値があると言える。ストーリーを丁寧に追う事や、細かい伏線を考えながら読むのが苦手な人などもいるが、そういう人は本作の絵だけ見ていても凄さがわかる。

クロの鬼気迫る戦いのシーンは「読ませる」では無く、「魅せる」という表現が適当だ。

この作品のダークな世界観は、バトル描写が出るだけで数段に面白く切り替わっていく。特に面白いところには必ずクロが絡む。出し惜しみ無しのバトルは本当に清々しい。もうこればかりは、実際に漫画を手に取って読んで貰わないと伝わらないが・・・。

クロの読者への圧迫感はかなりのもの。そして、さらに展開を面白く動かすのが、クロの影響を受けて攻撃を覚える沙羅の存在。ファンタジーとバトル作品の見事な融合系と呼べるだろう。

 

こんな人におすすめ

格闘技やバトル系の作品が好きな人は読んでいて楽しくなると思う。あとは、悪い敵キャラがどんどん倒されて行くのが好きな人も該当するだろう。世紀末という感覚が的確で、「北斗の拳」などが好きな人との相性は良い

押切作品というと「ハイスコアガール」などが有名だが、作者の格闘ゲー好きが功を奏している事も本作から感じ取れる

特に「陀大膳黒(クロ)」などはゲームキャラっぽく見えてくるのだ。彼を見ていると、「ストリートファイター」というカプコンの人気格闘ゲームに登場する「豪鬼」を思い浮かべてしまう。クロは戦いそのものを好み続ける戦闘狂というべきだろう。格闘ゲームが好きな人なども十分に楽しめる漫画だった。

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