教祖がただの”スケベ豚野郎”な新興宗教団体の漫画『カリスマ』

ストーリー、ジャンル

新興宗教団体「神の郷」に洗脳されて入会していく信者とその家族、また教団側の動きを描いたミステリー作品。教祖である神郷宝仙は信者から金を巻き上げ、私腹を肥やし欲望の限りを尽くしていく。また神郷自身は気に入った女性信者に身体目的で近づき洗脳するなどやり口は卑劣。

教団サイドの人間が信者を洗脳するマインドコントロールの様子や、修行と称した高額なセミナーをする風景が描かれている。作品そのものは新堂冬樹の小説が原作。

現実に起こっている宗教関連の事件などをモチーフにしたのかはわからないが、リアルな目線で作られている描写が多い。「悪質な新興宗教」をそのままノンフィクション化させたような仕上がりは読み手に響く物がある。

マインドコントロールの恐怖が漫画からヒシヒシ伝わる

この手の漫画は初めて読む気がする。いわゆる新興宗教でも悪徳業者のような団体の話は聞いた事はあるが、テレビのニュースや報道で知るくらいの物だった。信者をマインドコントロールする場面など、漫画とわかっていながら自分もその場にいたら洗脳されるような気がする。ややホラーチックな雰囲気が漂っているのだ

洗脳されて行く信者たちの心の弱みにつけこむ流れなのだけど、巧妙かつ大胆でどんどん支配されて行く様子が怖い。勧誘の手口が基本的に同じで、とにかく徹底しているマニュアルが存在している。

ある程度の状態まで追い込まれた信者は、さらにマインドコントロール状態に落とし込まれるなど悪循環に追い込まれるのだ。漫画として露骨なシーンを出しているが、露骨かどうかの問題で実際に「弱みにつけこむ教団」は後を絶たないのもわかる。誰でも人は心のよりどころを求めていたり、ツライ思いを抱えているものだろう。

その時に支えてくれる人が良い人間か、悪い人間かまで判断している余裕も無い。考える時間を奪うなど、悪徳団体はその道のプロでもあるので怖い話だ。

またこの作品は教祖の神郷宝仙の存在が大きい。この豚野郎(あえて呼ぶw)はあらゆる欲を消す事を宗教上の理由で説いている。金銭や性に対する欲などを悪として、信者からその概念を消そうとしていた。

しかしその一方で、自分は信者からお金を巻き上げて財産を築き上げ、好きな物を食べ散らかしている。挙句の果てに、若い女性信者に対してエネルギーを分け与えると称してやりたい放題。思う存分に性欲を満たしている教祖だが、その性的な行為すらも宗教的なパワーがあると信じ込ませるなど滅茶苦茶である。

これらのエネルギー(?)を求める女性信者に対する描写はかなりエロい。それが妙にリアルに興奮させられる描かれ方なのも気になるところ。この豚野郎(やはり呼ぶw)の悪事を読んでみるとはらわたが煮えくりかえるかもしれない。

ラストは想定外

ラストはどうなるのかを伝えたいが、ひとまず言える事は一貫性を持たせたストーリーの中に妙をこさえたという感じ。色々な出来事が重なり、回を増すごとに先が知りたくなるが期待を裏切らない仕上がりをラストに持ってきている。

おそらく読む人は、信者視点で感情を揺さぶられ続けるだろう。その気持ちを悪徳教団に引っかからないように覚えておくといいのではと私は思う。また、教祖の視点で読む人は少ないかもしれないが、人間の欲は底知れない怖さを秘めているとも感じた。教祖の生い立ちのシーンなど、ストーリーに対して密接な関わりを持つ。

普段は表に見せない人々の抱えた悩みや、欲望が溢れる作品としても見どころが多い。最後にもう一度だけ書いておこう。このエロ豚野郎は許せないw

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